花村萬月の文庫本のあらすじ


♂♀(オスメス)

青い左眼をした沙奈とのセックスのあと、気がつけば快速に乗り新宿に着いていた。慾望はすでに発散しつくしているのに―。幼い日に、私は性技を教えこまれた。無数の女と経験を重ねた。だが、作家として暮す現在は、いわば自分本位の性を貪っているのだった。歌舞伎町の覗き部屋を訪れた私は、どこまでも対照的な女たち、美和と奈々に出逢う。鬼才が、幻想と本能を描き尽くす。
ISBN:4101013233(新潮文庫)

汀にて―王国記〈3〉

身を潜めていた修道院を抜け出し、長崎・五島列島に向かった朧とアスピラントの教子。島に残る隠れキリシタンの痕跡を巡る旅の中、朧は“殺人者の横貌”を垣間見せる。そして教子は自分が心身ともに朧に囚われてゆくことを確信した。『ゲルマニウムの夜』に始まる『王国記』シリーズ第三弾は、『汀にて』と『月の光』の二編を収録。
ISBN:4167642069(文春文庫)

眠り猫

私立探偵、なのだという。だが村上冴子の眼の前にいるのは、かなり変わった二人組だ。元刑事の“眠り猫”こと仁賀丈太、相棒で元ヤクザの長田勲。人生の裏を見られるかもしれない―。猫のたったひとつの殺し文句で、女優の道を捨てた冴子は探偵助手となった。やがて、暴力団の激しい抗争に飲みこまれる事も知らずに。作家花村万月の名を世に轟かせた、超一級のエンタテインメント。
ISBN:4101013225(新潮文庫)

風転 〈下〉

北海道の奥深く潜伏していたヒカルと鉄男は、冬の到来を前に、南に向けて旅を再開する。一方、夏美や真莉子、萌子の前に謎の男が現れ、次々と不吉な事件が起きはじめる。そして、鉄男とヒカルを追う影が。南の果てをめざし、二台のオートバイは走り続ける―。さまよう孤独な魂たちに救済はあるのか? 旅路の終りに待つものは何か? 花村文学の至高の到達点を示す傑作長編ついに完結。
ISBN:4087476375(集英社文庫)

風転 〈中〉

ついに父を殺してしまったヒカルは、組織に追われる一匹狼のヤクザ・鉄男に導かれ、ともにオートバイで放浪の旅に出た。西へ、北へ―。二つの孤独な魂の果てしない逃避行は続く。そして、ひたすらに走り続ける鉄男との旅はヒカルをいつしか大人の男へと成長させるのだった。一方、残された萌子や夏美、母の真莉子にもさまざまな転機が訪れ、やがて悲劇の歯車は少しずつ回り始める…。
ISBN:4087476251(集英社文庫)

風転 〈上〉

大学受験に失敗した諸口ヒカルは、有名作家である父親に抑圧され、鬱屈した日々を送っていた。恋人の萌子とオートバイだけが救いだった。しかし、萌子が妊娠してしまい、追い打ちをかけるように、父の盗作事件が発覚する。そして、ついにヒカルの鬱屈は臨界点を超えてしまうのだった…。風に吹かれて、転がって、痛いほどに純粋な青春が鉄馬に乗って、走り出す。行く先は、再生か破滅か。
ISBN:4087476146(集英社文庫)

夜を撃つ

少年の名は峰岸情、十七歳。彼にとってトルエン、窃盗、暴行は日常茶飯事。屈託のない笑顔で他人を嬲り、憑かれたように深夜の暴走を繰り返していた。ある夜、警察の追跡からの逃走中に、自らが助かるために仲間の命を犠牲にしてしまう。情は遣りきれない思いを抱え、女子高生・藍子とともに逃避行を始めるが…。彼を追跡するふたりの元警官。逃亡の日々の中で、情と藍子が辿り着いた場所とは? 愛と孤独、鬱屈と狂気。制御不能な思いが絡み合う、激情と本能の物語。
ISBN:4041898099(角川文庫)

幸荘物語

築三十三年、六畳一間、家賃は三万三千円也。吉祥寺幸荘には極貧ながらも明日を信じる若き芸術家たちが暮らしている。小説家志望の吉岡は二十四歳にして童貞。女性経験の無さからくる劣等感に苛まれ、悶々とした日々を過ごしている。ある日、知人から佐和子さんという女性を紹介される。どこか儚さを感じさせる彼女の美貌に、吉岡は一目惚れしてしまい…。行き場の無い熱情と、空回りする自意識。誰もが通過してきたあのほろ苦き日々。夢を信じ、走り続ける若者たちの熱き想いを綴った青春群像。
ISBN:4041898080(角川文庫)

ブエナ・ビスタ―王国記〈2〉

殺人の咎を逃れるため、修道院兼教護院に身を寄せている青年・朧。暴力と性の衝動の中で、自分の倫理を構築しようとする朧は、ある日施設を辞めた元修道士の赤羽をひそかに訪ねる。朧の傍らには妊娠したシスターの姿が…。芥川賞を受賞した『ゲルマニウムの夜』の続編、『王国記』シリーズ第二弾の待望の文庫化。
ISBN:4167642050(文春文庫)

あとひき萬月辞典

“物書き”とは? “匂い”とは? “鬱屈”とは? “音楽”とは? “表現”とは? “卑近”とは? 奇才・花村万月が、あなたのすべての“問”に答える!エッセイと初期の短編を集め、いろんな「万月」を楽しめる“闇鍋”のような貴重本。
ISBN:4334733573(光文社文庫)